今回は、クラウドワークスで実際に募集のあった案件へ応募した作品を紹介します!
この案件は電子書籍の表紙のコンペです。(以下実際の募集画面)
https://crowdworks.jp/public/jobs/11550984
(閲覧時、リンクが切れていたらすみません)
制作上の条件(募集ページより引用)
電子書籍を作るので、表紙デザインをお願いします。
以下の3つの項目を入れてください。サブタイトルは2案出していますが両方使ってもいいですし
どちらか一つでもいいので、デザイナーさんのデザインとのバランスでお任せいたします。1.本のタイトル
『愛・勇気・希望』
~出会いが紡ぐ人生の物語~
2.サブタイトル
①私の可能性を拓き、人生を創造していく力となった
魔法の言葉『なにができるかな』
②家族・そして出会ってくれた方々に感謝を込めて
3.著者名
石井喜代美■本の内容
大切な人々とのつながりや、与えられた命に感謝を込め
一人一人が自分らしく生きながら周りの人々の人生をも
照らしている素晴らしい存在であるということに気づいてもらえたらとの
思いを込めて書きました。■デザイン要望
温かみのある色
デザインには細かい指定はありません。
デザイナーさんの感性でのびのびと仕上げていただきたいです。
使用した画像
使用した画像は、以下の2つです。
いずれも商用フリーのサイトからいただいています。
使用した機能等
今回も Adobe Photoshop のみで制作しています。
テキスト部分のフォントは以下です。
- あんずもじ:タイトル、本文引用(下部)
- 小塚ゴシック Pr6N:キャッチコピー
制作時間
素材集めも含め2時間程度で完成したと思います!
(授業の合間や休み時間など細切れの時間に進めていたため、正確な時間がわかりません…)
今回はデザインに細かい指定がなかったため、自分で「あたたかさを感じるデザインとは何か?」という問いを立て、その答えを探すのに時間を割きました(詳細は次章)。
工夫した点
① 「あたたかさ」をデザインするためのポイントを探ったこと
今回一番難しかった点は、デザインに細かい指定がなかったことです。
闇雲にデザインしても私のセンスでは残念なものしかできないので、以下のような方法で、今回もプロの仕事を見て研究することにしました。
- Amazonで似たようなテーマ(介護、子育てなど)の電子書籍売上ランキングを見る
- クラウドソーシングのサイト(クラウドワークスやランサーズ)で、電子書籍を作っている人のポートフォリオを見る
- 同じカテゴリの単語が複数並ぶタイトルの本を探し、そのデザインを見る
- 「電子書籍の表紙デザインの方法」的なブログをいくつか読む
ス〇バの広告と違い、書籍の内容(+著者の好み)によってデザインの雰囲気が大きく異なるため、非常に難関でした…!
電子書籍の内容とタイトル、キャッチコピーから依頼者の具体的な要望を想像し、色や雰囲気を決めるのが大変でした。
② 自分の好みより依頼者のニーズを優先して考えたこと
当たり前ですが、クライアントの課題を解決するための”デザイン”をすることが目的の場合、自分の好みを押し出す“アート”作品になってはいけないです。
これまでの作品は自分の好みで作ってきたのに対し、それを一旦脇に置いて、依頼者の希望を汲み取ることを意識してデザインをしたのが、これまでと異なる点です。
今後はデザインの仕事をしていきたいので、良い経験になりました。
③ 「ありそうでない」を意識したこと
売れている本の表紙デザインに共通していたのは、
- 文字の色・太さ・サイズに変化を付け、強調する部分を上手く作っている
- 帯部分には隙間なく文字やイラストを配置している
- 縦書きと横書きが混ざっていても、流れで読みやすいように文字を配置している
- 単語が複数並ぶ場合は枠線を付けて整列させている
- 帯のようなものをデザインして紙媒体の書籍に寄せている
などです。
書籍の内容によってレイアウトや配色、見た瞬間に受ける印象は全く異なりますが、それでも、売れるデザインにはベースがあるということに気づき、そこから大きく外れないようにデザインを考えました。
そして、「このデザインなら、ありそうかな?」と思えるところで完成としました。
「すでにありそうな雰囲気か?」という自問自答をしながらデザインすることで、自分の好みを押し出し過ぎることなく、ニーズに応えやすくなるのかなと感じました。
その他
ちなみに、完成に至るまでにボツになった案がいくつかあるので紹介します。
(ざっくりとしたレイアウトを考えている段階で見切りをつけていっているので、完成版にあるようなリボンは配置していなかったり、フォント変更や効果の適用をしていなかったりします)
サブタイトルについて、お気付きになりましたか…
実は、指定されていたサブタイトルのうち、一つが「私の可能性を拓き、人生を創造していく力となった魔法の言葉『なにができるかな』」だったのですが、ボツ案を5つ作るうちに、どの部分を強調したらいいのか迷子になっていきました…
そのため初心に戻って、書籍の内容にもう一度目を通しました。
すると、文章全体のどこにも「なにができるかな」が含まれていないことがわかりました…
これにより、さらに強調すべき部分がわからなくなり…
結果、サブタイトルは”2つあるうちのどちらか一方を使えば良い”とのことだったので、もう1つの方をそのまま用い、こちらは思い切って本文の内容に合わせてアレンジを加えました。
この判断が吉と出るか凶と出るか…
おわりに
今回の制作実習で学んだこと
クライアントの要望に応えるのが如何に難しいかを実感しました。
今回は時間がない中での制作だったため、修正依頼などを受けることもできず、これでよかったのだろうかという心残りがあります。
募集を締め切ったあと、サイトを見てみると他の方の提案が多数掲載されており、デザインは非常にばらけていました。
しかしどれも素晴らしく、クライアントの好みをもっとリサーチできていればよかったかなと思っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!